今週/先週?、Hacker News で取り上げられた Mosh を自宅 と会社で使い始めた。SSH 代替なソフトウェアで、SSP (State Synchronization Protocol)over UDP で動作している。MIT が開発したそうだ。
動作は、クライアントがシーケンス番号と共にデータグラムをサーバに送信し、同期し 続ける。クライアントがローミングし IP アドレスが代わる等した時、以前より大きい シーケンス番号と共に正当なパケットが送信されたとサーバが認識した場合のみ、サー バは新しいソース IP アドレスを新たなクライアントだと認識する。もちろん、この場 合のローミングは NAT 越しの IP 再アサイン時やクライアントのネットワークインター フェース切り替えやノート PC を新たな無線アクセスポイント配下へ移動した場合も同 様に動作する。めちゃ便利やん。Mosh は SSP を2経路持ち、1つはクライアントからサー バへユーザの打ったキーの同期を取る。もう一方はサーバからクライアントへで、スク リーンの状態をクライアントへ同期を取るためだ。
つまり、ノート PC やその他モバイル機器の IP アドレスが変わったとしても接続性は 担保され、また ノート PC のスリープ解除後にも接続性は確保され続ける。また、UDP で動作しているので、フルスクリーンの vim や emacs 等での再描画の遅延等も起こり にくそうだ。あと Ctrl-C 。TCP だと、キータイプがサーバプログラムに伝わらない状 況はプログラムプロセスが混雑しているとよくあるのだが、SSP over UDP での Ctrl-C はそういうことが無いそうだ。
また、認証機構は SSH に任せているので sshd は引き続き稼働させておく必要がある。 mosh は接続する先のユーザが一般ユーザ権限で動作させるプログラムでしかない。つ まり mosh daemon は必要ないようだ。
実際にインストールしてみた。Mac の場合、homebrew で
% brew update
% brew install mobile-shell
で完了。私はサーバに Debian と Ubuntu を使っているのだが、Debian の場合は testing, unstable でパッケージが容易されている。が、testing のパッケージを使っ た所、動作が不安定だった。文字を削除しても一文字消えない等。よって、github か ら最新のソースを取得。(unstable のパッケージでもイイかもしれない、私は試してな いです。)
% sudo apt-get install protobuf-compiler libprotobuf-dev pkg-config \
libboost-dev libncurses5-dev
% cd gitwork
% git clone https://github.com/keithw/mosh.git
% cd mosh
% ./autogen.sh && ./configure && make
% sudo make install
Ubuntu の場合は、
% sudo apt-get install python-software-properties
% sudo add-apt-repository ppa:keithw/mosh
% sudo apt-get update
% sudo apt-get install mosh
だ。その他の destribution, OS の場合は下記のリンクを参照してみてください。
次にクライアント <-> サーバ間の経路が変わっても接続したままになるのか、テスト してみた。
MacBook wireless nic <-> server を MacBook ethernet nic <-> server に接続しな おしてみた。また、その接続しなおしのタイミングの間、
% while(true) do echo "is mosh alive ?" ;sleep 3; done
とシェル上で実行し続けた。結果、サーバに再接続され、また上のシェルプロセスも継 続され続けた!これには驚いた。
ということで、使い始めて1週間だが今のところ快適。
会社の方に protobuf は Google が自社ネットワーク内のトラフィック軽減のために開 発したものだ、と言っていた。こんなところでも Google の技術力がすんごいことに改 めて気がついたよ。